Feature 1
自社技術開発・医療機器探索
カルディオが扱う医療技術/医療機器には2種類があります。これらの開発/導入プロジェクトは中長期(3年〜8年)での実用化を目指しており、順次事業化および公開を計画しています。
【自社技術開発】
大学や企業の研究室そして臨床施設との共同研究などによる自社技術の開発、また他研究室の技術導入を基に難治性疾患治療を目的とした先端医療技術を開発しています。またそれに留まらず、疾患症状の緩和や予防医療を目的とした新しく画期的な医療機器やヘルスケア製品の開発プロジェクトを推進しています。
【医療機器探索】
未だ知られていない、未だ導入されていないが、患者や医療現場において必要とされている先端技術や医療機器が世界中で次々に開発されています。それらの情報を独自のネットワークにて国内外から収集・選別し、事業開発を行っています。
Feature 2
治験・市場への導入
これまでの導入実績と経験を活かし、自社にて治験を推進します。これによって患者や医療現場にて必要とされる先端医療機器の薬事承認が可能な限り短期間にそして計画的に得ることができます。
さらに第一種医療機器製造販売業者許可および社内QMS(Quality
Management
System)体制構築により、国内外の先端医療機器の薬事承認取得と市場への導入、事業化を推進します。少数精鋭にてこれら体制を維持・改善することによって、これまで医療機器企業が開発しなかった/できなかった、ニッチだがニーズの高い医療機器および事業を開発推進します。
Feature 3
販売と技術・臨床サポート
最先端医療機器を素早く安全に供給することを目的に、薬事と技術および臨床サポートに特化した会社組織を構築しています。
そのためカルディオは営業組織を持ちません。マーケティングおよび基本的な販売体制のみ保有し、販売に関しては販売会社との事業提携により製品を拡販することで会社の事業効率を高めています。
弊社が扱うのは患者さんの命に関わる技術/医療機器であるため、トラブルや不具合の発生を限りなく抑制することにヒューマンリソースを投じています。そのため万が一不測の事態が起こっても、患者さんに重篤な傷害を与えないための高い技術・知識・経験の習得と維持のため日々切磋琢磨しています。これにより定期的なメンテナンス、臨床現場での緊急事態に備えた24時間対応のサポート体制を構築しています。
CASE開発済み事例
1
「EXCOR® Pediatric
小児用体外設置式補助人工心臓システム」
EXCOR® Pediatricは、海外では1990年から欧州にて臨床使用が開始され、2000年から米国にて人道的使用が開始されました。EXCOR®
Pediatricは世界で唯一※の小児用補助人工心臓です。そのため日本でも本機器を絶対に必要とする患者さんがおられるにも関わらず、患者数があまりに少なく、その反面開発コストが高額であり、かつ命に直結するリスクの高い機器であることから医療機器企業は導入を断念していました。共同研究等により心臓外科との信頼関係があったカルディオは、臨床現場での高いニーズに応え小児重症心不全治療に貢献する目的から、小児心臓移植主要施設および医療関係者の協力を得てEXCOR®
Pediatricの導入に着手しました。その結果、行政、医療施設、関係医療従事者と医療団体の協力による医師主導治験の実施により、2015年に日本にて薬事承認を得て事業化を実現しました。
海外では多くのケースが同機器装着後数ヶ月で移植に至りますが、ドナー不足の日本での装着期間は通常1年を超え、最長2年10ヶ月に及びます。日本では世界に類を見ない長期サポートが要求されるにもかかわらず、その臨床成績は世界的にも群を抜いて良い成績を収めています。これは、日本が世界に誇れるチーム医療体制によって小児重症心不全患者治療に尽力している結果もたらされた成果です。カルディオは単なる医療機器販売会社ではなく、患者生命を託されたEXCOR®
Pediatricシステムに重大なトラブルが発生しないよう、高い技術と安全管理体制により本システム駆動装置の保守点検を自社にて行っています。カルディオはメーカー同様の技術、臨床での知識と経験を持つことにより、患者さんの安全確保と治療成績向上に貢献するため日々切磋琢磨しています。
※2020年3月現在
2
ダイヤル目盛り付輸液用ラインセット
「EZレギュラー」ニードルレスタイプ
点滴操作は一回の作業にかかる時間はわずかでも、処置数がとても多いためかなりの時間を費やすことになります。手慣れた看護師はクレンメによる操作で精度よく流速をコントロールしますが、時間内の滴数を数えて流速を調整するため、低速領域では不確実性が高まります。また、クレンメには、万が一予期しない力が働くと自然落下状態(フリーフォール)になってしまい急速で投与される危険性も潜在的に存在します。投与される輸液や薬剤によっては、これら危険性を排除し管理を容易にするため輸液ポンプが用いられるケースがあります。しかし輸液ポンプは本来、精密な輸液量コントロールが必要な場合に用いられる機器であり、患者さん1人に1台必要なことから、多くの患者さんに使用するのは困難です。このようなことから、看護師の負担を軽減し安全性を高めるために、操作と管理が簡便な輸液ラインが求められていました。
カルディオはこれら医療現場でのニーズに応えるため、EZレギュラーを日本に導入しました。EZレギュラーは片手でダイヤル操作が可能であり、ダイヤルを回して流速を直接設定することで簡単に使用することができます。特許を取得したダイヤルは、一定条件の下、理論的に5mL/hrの低流速域においても高い正確性をもって輸液投与が可能です。またダイヤルは簡単には回らないように固く作られていますので、意図しないフリーフォールはほぼ発生しません。これら設定と操作の簡便性、理論的に正確性の高い流速コントロールにより、看護師の作業効率と安全性を高め、多くの患者さんを管理することができます。
注:EZレギュラーにより輸液の流速を正確にコントロールするためには、一定の条件(23Gの静脈針サイズ、輸液容器を静脈針から80cmの高さに設置、粘性の低い輸液)が必要です。詳細に関しては取扱説明書をご参照ください。
EZレギュラーのダイヤルでの流速表記は理論的に一定の正確性を持ちますが、実際の流速を保障するものではありません。
3
CABG血管把持器具
「クアッド・ホルダー™ ディスポーザブル」
冠動脈バイパス術(CABG)は、心筋への血流不足による狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を改善するため、自己の大伏在静脈、内胸動脈、橈骨動脈や胃大網動脈の一部(グラフト)を使用して、詰まって流れが悪くなった冠動脈の先にバイパス(う回路)を作り、冠動脈を再建する手術です。採取された血管を吻合する冠動脈内腔は通常1〜2mmほどであり、その吻合には高い技術が必要となります。また、梗塞箇所や状態、用いるグラフトの種類などにより、個々の患者さんに適した術式や吻合方法が用いられます。日本冠動脈外科学会の発表では、2017年のCABG症例数は12,584例と報告されており、経皮的冠動脈形成術(PCI)が盛んな日本においても重要な治療法として位置づけられています。
カルディオは著名な心臓外科医の協力を得て、術者が1人で、より容易に、ストレスなく血管を吻合するため、CABG用血管把持器具の開発に着手しました。完成に至るまでの間、数多くのクリップ形状をデザインし、数多くの改良を加えました。実用化のためにはクリップ形状だけでなく、血管を損傷しないがしっかり固定できるデザインと把持力、そして術者が希望する位置・空間にピタッと固定できる機能性も要求されました。数多くの失敗と試行錯誤そして実験を重ねた結果「クアッド・ホルダー™」が開発されました。
カルディオが独自に開発した血管把持器具「クアッド・ホルダー™」は、CABG施術の際に術野へ簡単に設置できるだけでなく、一つのクリップで、Non-Skeletonized(血管周囲組織を剥離しない)吻合、Skeletonized(血管周囲組織の剥離)吻合、大伏在静脈吻合、Sequential吻合の4(Quad/クアッド)パターンに最適な状態および位置でグラフトを把持することにより、吻合をより容易にし、術者の負担を軽減します。
販売開始以来、再使用可能な鉗子として販売しておりましたが、2024 年にディスポーザブルの単回使用鉗子「クアッド・ホルダー™
ディスポーザブル」として販売開始いたしました。